【フェブラリーS2017 有力馬徹底解剖】コパノリッキー、嵌れば脅威。 伸るか反るかは運次第?
コパノリッキー。風水でなんとかできないのかよ?
12.2 - 10.8 - 11.1 - 12.0 - 12.3 - 11.9 - 11.6 - 12.1(46.1 - 47.9 ハイ)
この馬ほど本当に書くことがない馬もまァいない。いや、あるにはあるんだが、良くも悪くもそのどれもこれもがこの馬の内面的な個性に由来するものが多いので、もうそこだけ伝えれば十分に事足りるじゃないかと。要するにこの馬に関してはそのメンタリティーだけの問題、いまさらフィジカルアビリティーを云々しても。しかし、そんなことを言っていると羊頭狗肉、徹底解剖記事にはならない。
とにかくフェブラリーSを2勝。3連覇がかかった昨年のレースを振り返る。2枠3番からのスタート。枠順が確定した時点ですでにヤバいなァと。東京のマイルダートは外枠が有利だというのが定説になっているが、それは内より外の方がスタートからの芝のゾーンが長いからだと言われる。じゃあそうなんだろうと別に逆らうつもりはない。統計的にも実際にそういう傾向が出ているのだから間違いはない。なるほど、コパノリッキーは芝スタートが得意だから外枠の方がいいのだな? まァ得意かどうかは知らないが、フェブラリーSを2度も勝っているんだから下手ではないだろう。それとはもっと別の、この馬は外枠の方がいい理由があるのである。
まずは先行タイプの割には発馬がアテにならない。できれば番手か好位でレースを進めたいと言っているのにスタートがヘタってどういうことよ? 出遅れた瞬間にレースは終わる。内枠からでは外から被せられてリカバーのしようがない。だから基本的に内枠はよくない。もうひとつ。昨年のこのレースの場合、スタートはまず普通には出た。が、外からのプレスに怯んだのか行き切れず、序盤は2、3列目の内々を追走。中弛みの3、4角でも終始インベタのまま、外からロワジャルダンにフタをされて思うようにポジションを上げられず。直線はもう伸びる気配もなく完敗。内枠スタートが災いして行き切れずにビビってしまい、結局競馬になりませんでした。始末書を書いて持ってこいと言ったら、コパノリッキーはこのように書いて提出するだろう。外枠の方がいい理由とはこの2点。出遅れてもリカバーが利き、なおかつ外からのプレスで被されることもなくビビらなくて済む。身体能力の問題だろうか? 出負け癖はともかく、他馬のプレスに怯む怯まないはどう考えても内面的なエネルギーブロック。ここの問題をまずはクリアーにすべくの外枠希望という訳である。この点について陣営がどう言っているのかは知らないが。
だから自分の競馬ができた場合には恐ろしく強い勝ち方をする。その後の戦績は以下のようになっている。
12.7 - 11.9 - 12.6 - 12.3 - 12.4 - 12.1 - 12.5 - 12.7(49.5 - 49.7 イーブン)
12.5 - 11.2 - 12.3 - 13.4 - 12.8 - 12.5 - 12.7 - 12.2 - 11.5 - 12.4(62.2 - 61.3 イーブン)
かしわ記念と帝王賞は内枠スタートだったが、鞍上は武豊。うまくスタートを五分以上に切らせて、コース取りからポジショニングまで極力コパノリッキーに妙な圧力がかからないような騎乗ぶりで、結果は圧勝。南部杯では田辺がその手綱を握っていたが、外枠からやはり同じように気持ちよく走らせることを主眼としたような乗り方で、やはり圧勝。天才も若頭もその部分にさえ気を砕けばコパノリッキーは必ず結果を出せる馬だというのをよく知っている。もちろんうまくいかない場合だってあることは当然で、あの武豊だって幾度となく失敗もしている。
12.7 - 10.7 - 12.9 - 12.5 - 11.8 - 11.8 - 12.4 - 12.3 - 13.0(48.8 - 49.5 イーブン)
メンタリティーの問題はいいとして、競走能力を語るのにはちょうどいいサンプルが昨年のチャンピオンズC。結論からすると、コパノリッキーにはしんどい競馬になった。中京ダート1800mが坂スタートである点も発馬のよくないこの馬にとっては厳しかった。が、そこはルメールの騎乗技術でなんとかクリアーしながらも序盤はまずまずのポジショニング。問題は向正面L5Fからの攻防。突然始まったロンスパ消耗戦は、直線で使う脚を残しておきたいコパノリッキーにとってはキツい。否応もなく脚を削がれて敢えなく惨敗。自分の競馬ができなかった場合にはその崩れ方も半端ではないのだが、ここではそれが元来の精神面の弱さに起因するものとは見ない方がいい。あくまでコパノリッキーの身体能力的な、脚質的な問題だ。
端的には、先行してハイラップを刻みながらも直線ではサッと抜け出す脚を残してというのがこの馬の勝ちパターンになる。前半要素に優れ、その優位性を番手あるいは好位からうまく使いながらここぞという瞬間にギアチェンジして出し抜けを喰らわすというレース。だからただでさえ時計のかかる中京ダートで、L5Fからのロングスパート戦なんて勝てる道理がない。直線に入るまでにすでに減速ラップが始まっているレースなどまず勝ち目はない。
もう書かなくてもいいくらいだが、とにかく勝つ時はいつでもド派手だから、能力的にはやはり間違いのないものがある。このあたりに疑問があってはGⅠを何勝もするなんて芸当はとても無理だ。問題はその半端でないアビリティーを引き出すための条件が必要なのだ。どんな馬だってなにかが味方しないと勝てないものだが、この馬の場合にはまず運が味方してくれないとそれだけで雲行きが怪しくなる。要するに枠順。今回は武豊が騎乗というのは喜ばしいが、それでもやっぱり外目の枠が欲しいところ。これだけで前述したふたつの面で大きなリスクヘッジになる。ワンターンコースだけに内から失敗すると、外から次々と行かれて寄られて3角までにレースが終わってしまう。そして自身がハイラップを作る形で他馬の目標にされるのではなく、内から行き切る向きの番手でレースを進めたい。恐らく今回はケイティブレイブが行くことにはなると読むが、前半要素の優位性を生かしてかつ後続からのプレスを回避できるよううまく立ち回りたい。と、このように勝ちパターンのイメージは簡単にできてしまうのだが、それもこれもまずは運とかツキ次第というような面がこの馬の悩ましいところ。印を打つかどうか、打つとすればそれは重いのか軽いのか、本当にまったくわからない。
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・文責 : Shang-Hai(Shunsaku Kogure)
・週末の中央競馬予想。たまに南関競馬にも手を出す。
・有力馬徹底解剖、展開想定、買目予想など。
・レース回顧及び反省など。